こうのす広場編集部 TOPICS
「鴻巣びっくりひな祭り2026」県伝統工芸士・的場健祥さんら実演

生え際を細筆を使って描く的場さん
江戸時代から約400年の人形制作の歴史がある「ひな人形のまち」鴻巣を代表する大イベント「鴻巣びっくりひな祭り2026」(一般財団法人同市観光協会主催)が2月20日から3月7日まで開かれました(一部会場は会期が異なります)。
メイン会場の鴻巣駅直結のショッピングモール、エルミこうのすには、恒例のピラミッド型ひな壇がお目見え。
31段、高さ7mは、日本一高いピラミッド型ひな壇として日本一認定組織「日本一ネット」に記録されています。
壮観な眺めに目を見張る人々が、目を凝らして注目していたのは、ひな壇前で行われた人形職人4人の実演です。
高度な技術を有する職人を認定する埼玉県伝統工芸士の「人形師」の関口由実子さん、小野島久美さんが人形を着付けする様子や、「小道具師」の岡野恵一さんが烏帽子などの小物を作る様子が披露。
分業制という人形作りを間近で見ることができます。

実演する人形師、小道具師、頭師の職人たち
同じく県伝統工芸士の的場健祥さんは、「頭師」です。
人形の頭部を、金型の原型作りから制作しています。
おがくずで作る生地を金型に入れて頭部を形成。
その後、貝殻から作られる白い顔料の「胡粉(ごふん)」と動物由来の接着剤「膠(にかわ)」を混ぜたものを5度塗り重ね、白く、すべすべしたお顔にします。

的場さん(手前は巻藁に挿して乾燥させている制作途中の人形の頭部)
次に生え際を細い筆で描いていきます。
「生え際が見せどころ。いかに細く、こまかく書いているかで値段が違うんです」とは、鴻巣ひな人形協会の関口会長。
スッ、スッ、スッ、スッ、スッ、と一定のリズムで職人の持つ筆が小さく動き、数㎜の線が額を縁取ります。
人形の髪は、人間の髪の毛よりもはるかに細い、正絹やナイロン。その細さを再現します。
「1、2時間で10個描ければいいかな」と言う的場さん。
次は髪を付け、結います。
関口会長は「髪をしばるところがすごいですよ、口にひもをくわえてね。キュッキュッキュッって」と、自慢するようにうれしそうに見物客に熱弁します。
整髪料などは使わずにまとめられ、一糸乱れぬつややかな、宮中女性の髪形「おすべらかし」が完成。
描いた生え際が、とても自然になじみ、まるで本当に髪が生えているようです。

細筆で一本一本生え際の髪を描く

人形の髪の毛の素材は、正絹(奥)、ナイロン(手前)

美しいおすべらかしが完成
的場さんは、代々頭師という家の4代目。
中学生の時に父親を亡くすと、卒業後に県内の人形店で修業を始めました。
「当時、出来によって、『並』が16円、『並上』が18円、『中』が22円、『中上』が25円、『上』が28円、『極上』が33円と値段も決められていました。分業制ですからね、安いんです。そして安いものから作り、色々、人の作品のいいのを見てまねし、少しずつ上達すると、親方がレベルを上げてくれるんです」と優しく語る的場さん。
1mmに満たないわずかなズレが、出来栄えを左右する世界。
センスばかりでなく、地道な鍛練が技術を創り上げました。
「仕上がったのを見て、『思ったよりいいな』と思うこともありますが、反省、反省ばかりです。そして、今度作るときは欠点、減点を減らすようにするんです」

写真右から左へと作られる頭部の制作過程
「今日はメガネを忘れてしまって。これ100均の老眼鏡です」と照れるベテラン職人。
身を乗り出して手先を見つめる小学生や、大人たちの質問にも柔和に親切に対応します。
同祭りでは、サテライト会場のパンジーハウスの等身大ひな人形のお顔や手も手掛けています。
花を植栽するボランティア「花びなの会」の女性は、「今年(2026年)はお顔を新調しました。前のも綺麗ですよ。的場さんが毎年祭り終了後にきれいにしてくれるのです。『ここに汚れが』『ここにひびが』とおっしゃるけれど、素人目にはわからない程度ですが、まめに塗り直してくださるのです」と感心し、多大な貢献に感謝します。
大切に作り上げたおひな様、お客さんに願うことは?
「おひな様はしまうときが大事ですね。湿度が高いとだめ。押し入れなら上の段にしまってください」とアドバイス。
飾らず実直に、人形を大切にする姿勢が伝わってきました。

職人技に老若男女が興味津々
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

新体制で「彩起」する! 関東昇格へキックオフ【埼玉県鴻巣市】
KONOSU CITY FC改めSAITAMA KNØS UNITED「新体制発表会」

まねて学び、次の欠点を減らす ひな人形の頭師【埼玉県鴻巣市】
「鴻巣びっくりひな祭り2026」県伝統工芸士・的場健祥さんら実演

鴻巣は免許センターだけじゃない! 雪の日に古着好き集まる【埼玉県鴻巣市】
若き店主の古着店OLD LANDが、イベント「古着マーケット」を開催
鴻巣市上会下705-1
[ 模型製作レンタルスペース ]
埼玉県鴻巣市のレンタル作業スペース 製作・塗装から撮影までOK