こうのす広場編集部 TOPICS
江戸時代から続く神輿渡御 3㎞の歩行者天国に熱気あふれる

神輿の熱気と人でごった返す中山道
鴻巣市の鴻巣地域の夏を代表する大イベント「鴻巣夏まつり」が2026年7月12日(日)に行われ、加美町から人形町まで、全長約3kmの中山道に12町内会の12基の神輿が渡御し、大勢の人が訪れました。
中山道沿いに、加美町・雷電町・本一町・宮本町・宮地町・富永町・仲町・石橋町・相生町・元市町・天神町・人形町と続く12町内。例年7月中旬の日曜日に行われる同まつりでは、それぞれの町の神輿が中山道を渡御し、疫病退散や商売繁盛を祈願します。
14時の開始とともに、各町内から神輿が出発します。「鴻巣締め」と呼ばれる「パンパンパン、パパパンパン、パン」という独特な手締めで渡御のスタートです。
今年は初めて、おおとり公園に12町すべての神輿が集結し、開会式を開催。各町の担ぎ手が一堂に会し、祭りの開幕を盛大に祝いました。「鴻巣の神輿ならではの神髄を感じてほしい」と満足そうに語るのは、主催の同まつり実行委員会の鈴木義尚副委員長です。

12町、12基の神輿が勢ぞろいした開会式
今年はこれまでの鴻巣市主催から、12町が集まって組織した実行委員会が主体となる新たな運営体制で開催されました。
準備は約1年がかり。歩行者天国や警備に関する警察との調整、約100か所に及ぶバリケードの設置、地域住民への説明など、多くの作業を積み重ねて当日を迎えました。
事務局の小山豊さんは「見えないところの仕事が本当に多くて大変だった」と振り返ります。また、鈴木副委員長は、神輿を持つ12自治会だけでなく、鴻巣地区28自治会の地域全体から協力金や支援を受けており、「多くの人の理解と協力があって祭りが成り立っている」と感謝の言葉を口にしました。

左から鈴木副委員長、事務局の小山さん、笹野憲一さん
巡行中は神輿同士が行きかう場面もありますが、各町会の巡行責任者同士が声を掛け合い、「のぼり優先」のルールのもとで安全に運行。現在は飲酒も禁止し、トラブルもありません。
一方で、約40年前までは神輿同士が担ぎ棒を激しくぶつけ合う「喧嘩神輿」が名物でした。神輿を守るため、豪華な飾りを外し、代わりにさらしを巻いて巡行したと実行委員たちは楽しそうに笑います。
神輿につけられたさらしは縁起物として妊婦に人気で、「(安産祈願の)犬帯に欲しいって。(争奪戦で)すぐに無くなっちゃうんだよ」と口々に話しました。
しかし近年は、商店の後継者不足による寄付金集めの難しさや担ぎ手不足が課題。現在の担ぎ手は約3割が地域外からです。各町では町外の人や女性も広く参加を受け入れており、楽しそうに神輿を担ぐ女性たちの姿も印象的でした。

宮本町の神輿にさらしが巻かれました

宮地町も! でも安全運行ですよ!

声を張り上げて盛り上げる宮地町

宮本町は街に笑顔を振りまきます

重厚な総黒漆塗りの神輿は本一町

担ぎ手に女性も多い、総茶漆塗り仕上げの神輿の加美町

御幣などではなく「横断中」の旗がかわいい相生町

171年前の安政2年(1855年)に造られた、鴻巣最古の神輿は元市町

宮本町と向き合って担ぐ仲町

「甚句」を歌いながら担ぐ雷電は音楽ライブのような盛り上がり

クボタホームクリニックの久保田社長(中央)は安全安心なまつりのために奔走!
仲町の町内会長(左)と連絡責任者の方と一緒に

総重量およそ1tという人形町の神輿
人形町の神輿は担ぎ棒を含めると約1tにもなり、最も多くの担ぎ手が集まるといいます。
元市町で小学生の頃から祭りに参加している増田さん(77)は、「昔は『わっしょい、わっしょい』だったけど、それじゃ遅いから、今は東京みたいに『ソイヤ、ソイヤ』とかいろいろだね」と、掛け声の変化を振り返ります。
また、「子どもの頃、さらし巻いた神輿をガッチャンコ、ってやっててさ。『大人ってすごいな……』って思ったよね」と、幼心にその大迫力はショックだったようです。
「元市は、のぼせ上っている人、変わり者、気が利く人、個性的な人が多い。でもまとまってやってるよ」と笑います。そして神輿の魅力について、「汗をかける。ストレス解消。と俺は思うけど、今は『行けるかな、帰って来られるかな』って(自分の体力を)心配している。で、一日終わると安心して酒飲んじゃう」と楽し気な笑顔を見せました。

元市町の町内会長でもある荒井和彦委員長(中央)と増田さん(左)、元市町の巡行責任者
沿道に並ぶ露店を家族連れや子どもたちが楽しみ、威勢のよい掛け声とともに進む神輿には大きな注意目が集まり、「やっぱり神輿はいいね」という地域の人たちの声もあちらこちらで聞かれました。
多くの人の支えによって受け継がれてきた鴻巣夏まつり。運営に携わる人、神輿を担ぐ人、沿道から応援する人、それぞれがまつりを通じて顔を合わせ、地域のつながりを育んでいました。まつりが人と人を結び付ける大切な場であることを改めて感じさせる一日となりました。

どの町も熱い渡御で魅了しました
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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